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西尾維新『悲鳴伝』



サマリと感想を書く。



主人公の空くんは何事にも心を動かされないというパーソナリティをもった13歳の少年である。その才能を買われ、彼は地球撲滅軍なる「打倒地球」秘密組織に「英雄」としてスカウトをくらう。スカウトをくらうというか、家族を全員殺され、学校もまるごと焼かれ、退路を完全に絶たれた形で「どうか仲間になってください」とお願いされる。空くんはそんなヒドイ行いにもあまり心が動かず、断ったら生活ができないという理由で地球撲滅軍に参加することとなる。
彼の仕事は地球陣である「怪人」の殺害だ。怪人は普段人類に化けて過ごしており、特殊なゴーグルを通すことでその正体を見ることができる。が、その本当の姿はあまりに神々しく美しいので、見た人間は目が潰れて気が狂ってしまうのでコリャ参った状態なのである。そこで現れた、どんな神々しさにも美しさにも心を動かされない空くん。彼なら普通に怪人を直視でき、ぶっ殺すことができる。そういうわけでのスカウトだったのだ。
最初の任務でサクッと怪人を踏み殺し頭角を現す空くん。が、ぶっちゃけ秘密組織地球防衛軍はイカレ組織であり、空くんは人体実験の被害者の逃亡や上官の権力濫用に巻き込まれてしまう。けれど心の死んでる空くんはどんな出来事にもクールにあたり、関係者をみんな叩き殺す形で事態を沈静化させてのける。こうして「敵より味方を殺す英雄」空くんは地球撲滅軍第九機動室室長として、まあとりあえず落ち着くことができたのであった。



500ページくらいあるのにとても読みやすくてよかったよ。いつも冷静な空くんにも共感できて楽しめた。
空くんは何事にも心を動かされないことに引け目を感じていて、つねに一般的な人間の演技をして生きている少年だ。主人公としてこれ以上の性格ってないんじゃねーの? 悲劇でいちいち行動が乱れたりしないから話を淡々と進めてくれるしさ。前に感想書いた『異邦人』のときも同じような印象をもった。あの話では主人公のムルソーさんってば、結局一般社会に殺されてしまうが、空くんは地球撲滅軍でひとまず勝ち抜きましたって話だったからめでたしだ。こういう主人公の話をもっと読みたいな。

…と思って続編である『悲痛伝』以降を読んでみたんだけど、以降はあんまり楽しめなかったので感想文はなし。いや空くんはカッコイイし一貫してスッキリするからいいんだよ。でも文章っていうか話の進みが、巻を重ねるごとに遅く遅くなっててかったるくなっちまった。お前ちょっと、初巻はサクサク進んだのにどうしてこうなっちまった。


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