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| カテゴリ:感想文 |
アーネスト・ヘミングウェイ『武器よさらば』



古典だから身構えちゃったけれど、めちゃめちゃ読みやすい文章だったぜ。文章さえ読みやすければ、どんだけむつかしい内容を扱ってもらっても構わない。はは。サマリと感想を書く。



第一部
イタリア軍に従軍してるアメリカ人のヘンリー中尉が語り手。前線で負傷兵を運び、同僚たちとは仲良くて、親友もいて、女の子を買ったりして、たまに休暇をとって暮らしていた。親友リナルディの紹介で救急看護奉仕隊のキャサリン・バークリーに出会う。若干クレイジーの気があったが毎夜女の子を買うよりまともな生活だと判断し、遊びの恋をはじめる。とかやってたらヘンリーは迫撃砲にふっとばされて負傷、前線を退きミラノの病院へ入る。

第二部
病院にはキャサリンもちょうどよいタイミングで転属になった。ふたりはヘンリーの療養期間の間に仲をめっぽう深めた。今ではお互いにすっかり参ってしまった。キャサリンの夜勤のたび情事を重ねた。レストランにいき、競馬場へ行き、夏を楽しんだ。怪我が治ると、ヘンリーは前線に戻ることになった。キャサリンは妊娠した。

第三部
前線に戻ると長引く戦いにみんな疲れていた。軽いノリのリナルディもへとへとみたいだ。退却が決まり、軍の指揮系統は乱れ、疑心暗鬼で味方から撃たれたりする。そんななかヘンリーは野戦憲兵にドイツのスパイと誤解されて殺されそうに。とっさの機転で川に飛び込み、彼は脱走兵となる。単独講和。

第四部
ヘンリーはキャサリンと再会。もし軍に見つかればヘンリーは銃殺されてしまう。だがこのふたりは底抜けのポジティブシンキング、ボートでスイスに逃げおおせることにする。イタリア人なら危ういが、ふたりはアメリカ人とイギリス人だから大丈夫だ。

第五部
スイスでゆっくり過ごすふたりだが、やがてキャサリンのお産のときがやってくる。順調には行かず、難産を極めた末にキャサリンは亡くなり、死産になってしまう。



解説とか見ると、人生の不条理とか書かれていたけれど、このお話からそういう解釈を見出すのってよくわからない。すごく妥当な話の進み方をしているもの。こうなって、こうなった、って感じだ。ふ、不条理? 不条理ってなんだ? 世界は妥当な進み方しかしない。このお話の楽しめるところは、ヘンリーとキャサリンの息の合ったポジティブライフだ。
ふたりが仲睦まじく暮らしているさまは見ていて気分が良かった。何が良いって、このふたりの行く先を危ぶませるような出来事は多々起こるが、ふたりの間に悲壮感がまるで生まれないところだよな。それはなぜかと言えば、ふたりの間で完璧な世界を築いているからだと思う。ぼくがいて、きみがいる。それで完結している。小さく完結していることは強さだ。人のせいにしないからだ。人のせいにする奴は、人のおかげじゃないと幸せになれない。人のせいにしない奴は強い。唯一の弱点は、その世界が壊れることだ。ヘンリーとキャサリンの世界は、キャサリンの死で壊れてしまった。それは当然あり得たことだ。世界の完結性の責任の属する先が増えれば増えるほど、世界は壊れやすくなる。ふたりの世界はひとりの世界より壊れやすい。

ヘンリーがキャサリンに恋に落ちるところの描写はなかなかよかったな。
  • 「しばらくね、ダーリン」彼女は潑剌としていて、とても美しかった。こんなに美しい女は見たことがないと思った。(中略)キャサリンを見た瞬間、ぼくは恋に落ちていた。自分の中のすべてがひっくり返っていた。
でも、なんで恋に落ちたのかがわかりづらい。推測にすぎないけど、負傷して弱っているとき、懇ろな女性を久しぶりに見たから、相対的にすげー魅力的に見えたってことかな。

『武器よさらば』っていうタイトルを冠している以上、このお話は戦争に関する主張をメタフォライズするのが作者の意図したところなんだろうとは思う。けれどそこらへんに関する感想はぜんぜん湧かなかった。ふたりの仲睦まじい様子が素敵だった。スイスへの旅路あたりがグッド。好きな人となら、どこへだって行ける。不肖俺もその気持ちは知ってるから、とても共感できた。


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| カテゴリ:みろりHP |
文学って何だと思う?



その夜、親愛なるルームメイトと俺は宅飲みをしていた。


緑「(バリィ!)これだよこれ。ポテトチップスの大袋があると、宅飲み気分になれるよな!」

ル「わかる。」

緑「そらHeinekenを開けてやるぜ。(カキンッ)ヨーロッパに住んでたころは、夜な夜なバーでこういう瓶ビールを片手に喋りまくったものだぜ。」

ル「ヨーロッパに住んでたころって私も言ってみたいなあ……。」

緑「洋画大好きだもんねえきみ……。けれどきみも住んでたことあるじゃん。二週間くらい。」

ル「旅行です。」

緑「五、六回あるじゃん。」

ル「旅行です。」

緑「ぷはー。んー、久々にふたりきりだし、何か議論を戦わせようぜ。またぼくを感心させてくれ。」

ル「ぷは。や、謎のハードル上げですけど。何について?」

緑「そうさな。文学って何だと思う?」

ル「文学か……。」

緑「うんうん。(キラキラ)」

ル「期待の眼差しがすごい。」

緑「それは余儀ない。」

ル「ん……。何なのでしょうね? 緑さん的には?」

緑「ぼく的には、文学はメタファーのことだ。」

ル「うん?」

緑「ある種の知識って、実体験なしには伝わらない。個人の哲学とか、思想とかね。そういうものはそれをそのまま説明しても伝わらない。だから物語が必要になるんだ。書き手は物語を使って読者に自分の体験を追体験させて、結論である自分の哲学まで読者を導く。それを作る技術が文学だね。」

ル「うん? どうしてそのまま説明しても伝わらない?」

緑「山の頂上から見た景色は、登山中には見ることができない。」

ル「ああ、そうですね。んーでも……。」

緑「お、お、納得いかない? きみはどうだ?」

ル「すごく嬉しそうだ……。ええと文学とは、のほうですけど。」

緑「うん?」

ル「文学は、同じものを、文字で書いたもの、かな。」

緑「うん? っと、もうちょい詳しく。」

ル「緑さんみたいに説明うまくできないですけど。共通のものを、文字を使って表したもの、というような。」

緑「ああー!! わかった、わかりました。」

ル「わかりましたか。」

緑「つまり、まずひとつの表現対象があり、それを表現した多数の媒体がある。たとえば神への信仰。それは絵画で表現されたり、踊りで表現されたり、祭祀で表現されたり……あるいは、文筆で表現されたりする。共通の表現対象を表現する表現媒体の中で、文字で書く表現方法のことを文学という、ってことか!」

ル「そんな感じですね。」

緑「ああー! んん……? いやこれ、なるほどな……。待てよ、これはすごいんじゃねーか? 何がすごいって、ぼくの結論をも包括しているところだよな……。」

ル「(ゴクゴク)」

緑「ぼくの定義は表現対象を思想や哲学に限定しているところに若干の狭量さが感じられるのは確かだったもんな。だがきみの定義でいくと、たとえば推理小説ですら……。」

ル「おもしろいもの、という共通対象を文筆で表現したもの、というふうに落とし込めますね。」

緑「親愛なるルームメイトよ。さすがである。」

ル「うん?」




文学とは共通の対象を表現しようとする試みの中の、文字を使う分野のこと。


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| カテゴリ:ゲーム |
ペルソナQ クリアーまで



知り合いが貸してくれた。一ヶ月かけてクリアー。

どういうゲームなのか全然知らなかったのだけど、これはペルソナのキャラで世界樹をプレイするようなゲームだった。プレイ感は世界樹とほぼ一緒。3Dダンジョンで、5人PTで、階層があり、敵が強くて、FOEがいて、「ああっと」があって、って感じ。

PTは最初からほぼ一貫してこの5人だった。

P3主人公は外せない。善くんは、せっかくオリジナルキャラなのだからと内定。P4主人公は単純にステータスが良かったので。犬派なのでコロちゃん。5人目は最初アイギスだったのだけれど、足が遅いのでナオトくんと交代。



難易度はRisky(最高難易度)で開始。他の難易度をプレイしていないので、どれだけキツイのかわからないがしかし、とにかく一番ツライのが主人公の戦闘不能でゲームオーバーになること。それ自体はいいのだけど、その主人公がムド弱点だということに激しく疑問だぜ。主人公戦闘不能でゲームオーバーになるゲームで主人公が即死魔法に弱いっていうのはおかしくないか。とまあそのへんも含めたRisky難易度の対策を以下に。
  • 敵が硬いので普通に戦うのは下策。すべてハマムドで片付けるべし。ペルソナがマハンママハムドを覚え始めたあたりからぐっと雑魚戦がラクになった。善くん除く4人で即死魔法を投げまくる。
  • 最初マジビックリしたのだけど、今作はFOEから普通には逃げられないみたいだ。スキルのスタコラフットが最速で逃走できるので必須。
  • 序盤は主人公に食いしばりをつけておいたほうがよさげ。ホントに序盤はぽんぽん死んでゲームオーバーになったからなあ…。
  • ムド弱点の件だけれど。何がイヤってムド持ちの敵が出てくる頃にはまだムド対策ができないことだよ。その段階では、最速でムド持ちを即死させるのが対策か。
  • 一応、主人公に「闇耐性」+「闇のブローチ」+「闇の壁」を装備させることも試したんだけど(闇弱点->通常耐性->耐性アリ->無効、になるかなって思って)、無意味だった。普通にマハムドオンで飛んだ。たぶんこのゲーム、耐性の重ねがけがないんだな。「闇耐性」をつけた時点で「耐性アリ」になって、それでおしまい、なんだろう。
  • 最終的に身代わりアイテムのホムンクルスが店売りされることでムド問題は解決する。開放が第四迷宮なのが、おせーよ! って感じだけれども、これまで苦労させられたぶん開放時の無双感はすごかった。俺はつねにインベントリにホムンクルス10個入れてたぜ。これで敵のハマムドターンはボーナスターンになる。
  • そしてRiskyクリアを支えたペルソナ・カグヤのスキル・月の加護。毎ターン最初の一撃だけダメージを無効にするスキルだが、いや、本当にお世話になったけれどチートだよなこれ…。このスキルの前では、二回行動、状態異常をもたないボスはほぼ全員木偶になるのだから。一度攻撃を防いでも効果が切れないっていうのが特にヤバイ。
  • 全員のスキルカード枠に4属性物理攻撃をおいておくと大抵の敵相手に毎ターンブースト(次ターン先制+次ターンコストゼロ)できて本当にラク。上述の月の加護と組み合わせたら無敵だ。
  • 攻撃がマジあたんねえ問題について。これはRisky難易度のせいなのかわかんないんだけど、攻撃がいやに当たらない。毎回マハスクカジャをかけてもいられないので、全員に百中ゴーグルを装備。目に見えてマシになる。

ラスボスはギミックが特殊で、一度全滅しちまった。が二度目でクリアできたんで戦術を以下に。
蜘蛛戦
  • 盾を出される前に基本の強化(俺の場合、癒しの風+マハタルカジャ+月の加護)をバッチリかける。
  • 盾が出たら全員で灼熱の勾玉(別に零度の勾玉でも天雷の勾玉でもOK)を投げる。全体に150の固定ダメージ。2ターン繰り返せば盾が一斉に倒せる。勾玉は25個くらい持っていった。
  • 盾が消えたらランダマイザをかけて、全員で適当にアタック。俺は連鎖の刃コンボが結構お気に入りだった。情報支援用スキルのゲージがたまるからさ。
  • これを2、3周やれば倒せる。
ラスボス戦
  • 基本の強化をかける。ラスボスは弱点がないので月の加護継続のためMP回復アイテムやらソーマやら持ち込む。
  • カウントダウンは反魂香で対抗する。リカームは1カウントアップだったが、反魂香は2アップだった。うれしい。最終的に主人公のカウントが5以上キープ、他全員が一度死んでカウントなし状態になってるとグッド。反魂香も20個くらい持ち込む。
  • カウントダウンギミックの対策さえできていればなんとかなった。アイテムを派手に使う作戦だけど、このゲームはお金がめちゃめちゃ貯まりやすくアイテムが買い放題なので助かった。
  • なおラスボスは回避率がそんなに悪くないみたいなので、アクセの百中ゴーグルを外した。適当に能力値UPアクセとか消費半減アクセとかつけとけばオーケイ。状態異常も使ってこない。

おまけとしてラスボスより苦労させられたFOE刈り取る者戦の戦術を書いとく。いや俺はペルソナをプレイしたことがないので、ペルソナキャラたちが「刈り取る者だ逃げろ! アイツはヤバイ!」とザワザワしているの見てまったく共感できなかったんだよなあ。「いや大丈夫だよ、きみたちなら倒せるよ」って思いながら戦闘開始した。
  • 基本の強化弱体をかけちゃえば別に問題ないかなって思う。ランダマイザと月の加護があれば敵の攻撃は大抵潰せちゃうからね。
  • キツイのは状態異常だ。睡眠と混乱を投げてくる。その対策には予防の腕輪装備で使える聖なる加護を使う。そんなわけでこちらの強化は「癒しの風+月の加護+聖なる加護」となった。月の加護と違って防いだら効果が消えちゃうみたいで掛け直しにすこしてんやわんやしたけれど、その調査中に倒せてしまったのでまあ。
  • 画像の通り毒が効く。淀んだ空気スキルで延長させれば毎ターン900ダメージが継続するのでグッド。



無事クリアーできてよかった。総評としては好感。まあキャラゲーということで俺にはイベントの会話がやたら長く感じられたところは多々あった。未熟なキャラたちが冒険を通じて精神的に成長していく、みたいなシナリオはあまり好かなかった。せっかくのフィクションなのだから、完成しきった人間を見せてほしいというのが俺の希望だ。ゲーム部分は「主人公の戦闘不能イコールゲームオーバー」のところを除きおおむねストレスフリーで楽しめたと思う。とくにお金が手に入りやすいのがよかったね。このゲームはアイテム購入だけじゃなく、ペルソナ呼出、スキルカード生成へ派手にお金をつぎ込むシステムだ。きっとお金が手に入りづらければ、プレイの大半を無意味なお金稼ぎに奔走することになっていたかと思う。グッドだ。


| 緑色 | ゲーム | comments(0) |
| カテゴリ:アコギ |
アコギ みゆはん『ぼくのフレンド』



「かけがえない 僕と似た君へ」のフレーズにやられた。

今回の録音はなんだか俺の声がうるさいな。ちょっと音量に気をつけてもらったほうがいいカモ。こもっているというか……、何なのだろうな? こういうことを経験すると、歌ってみた動画とかがなかなかスゴイ連中なんだと思えるようになるぜ。キレイに撮るよなあって。歌うまいし。
演奏自体はアルペジオを廃してストロークだけだから何の問題もなかった。この曲はメロディが素敵なので、楽譜が手に入れば覚えたいものだけれど…、とりあえずビデオクリップとして一度かいてみたかったので。作って公開。



最近は暑くてつらい。そういうとき、普段とかわらないことをかわらないペースで行うと、自分をたもてる。頭が、自分は普段通りだと錯覚するからね。かわらない、かわらない。普段通りだから大丈夫。だっていつも通りのことをいつも通りにできているのだから、大丈夫。


| 緑色 | アコギ | comments(0) |
| カテゴリ:感想文 |
南木佳士『ダイヤモンドダスト』



引越しのゴタで読書を滞らせてたんだけど、ようやっと図書館にいけたぜ。サマリと感想を書く。本書は短編集だから色々あるのだけど、メインの『ダイヤモンドダスト』に焦点を絞っとく。



のどかな別荘地の病院で働く看護士の和夫くん。成績優秀な子どもで一度はお医者さんを志すものの、母親が肝炎で死に、親父さんは沢でコケて頭の骨折って半身不随になった。親父さんを放って医学部に進出することができず、彼は近くの看護学校を出て看護士になった。納得はしているけれど、都市で立派に知的な中流階級の家庭を築いている医者を見ると、羨望を感じた。和夫くんにも妻はいたが、肺腫瘍で死んだ。もう長いこと、親父さんと小学生の息子との生活だ。三十代だけどすっかり老けて、四十代で通じる顔つきになってしまっている。
とうとう親父さんが病院に入ってしまった。息子の送り迎えとか食事の準備とかちょっとタイヘンだが、たまたまカリフォルニアから帰ってきていた幼馴染の悦子さんがそれを手伝ってくれた。久々に会った悦子さんは素敵だが、和夫くんは口説くことかなわない。
親父さんの病室にはマイクさんという腫瘍持ちの宣教師がいた。ふたりは意気投合していたが、マイクの容態悪化に伴い親父さんのほうは退院となった。退院した親父さんは庭に水車を作りはじめた。和夫くんは「なんで水車!?」みたいな感じだったがある日マイクがその理由を話してくれた。昔親父さんが運転手をしていた鉄道が廃止の憂き目にあいかけたとき、客を呼ぶため森の駅々に水車を作ろうと提案したそうだ。それはかなわなかったが、マイクは彼の運転する電車にのって、水車を眺めてみたかったというのだ。親父さんは末期癌のマイクさんに見せるため、水車を作ろうとしていたのである。和夫くんも息子くんも悦子さんもそんな水車づくりを手伝った。けれど水車ができる前にマイクさんは亡くなってしまった。水車はまわったが、素人のつくったものだし、すぐにきしむようになった。ある朝に水車はへし折れた。そのそばで親父さんは亡くなっていた。
悦子さんはその少し前にカリフォルニアに戻っていった。和夫くんはしょぼくれた引き止め言葉をかけたが、悦子さんはきっぱり首を振った。



確かに俺好みの「成長済物語」には該当するのだろうけど、主人公に魅力を感じない。

この物語はいったい何を言わんとしているのだろう…。人の死を前にして冷たくなりつつもどこかダイヤモンドダストのように輝くカタルシスを感じる心を描いているのだろうか? 確かに、生き物の死というか、何かを永遠に失う瞬間っていうのは、自分の心が冷えて、けれど同時に「これでよかったんだ」と胸がすく思いがするよな。くせになる気分であるとも思う。そのえもいわれぬ気分を文章に落とし込みたかったのだとすれば、それは俺も理解できるぜ。モヤッとフワッとする気持ちをうまいこと文章にできたときの感動はそれこそ筆舌に尽くしがたいものね。

俺はそういう気分が結構好きだけれど、きっとこの作者さんはそうではないのかな。人の死とかに相対するたびに、たしかに輝きを感じるものの、それでテンションは上がらずただただ自分が年老いて元気を失うようなパーソナリティをもっているのかもしれない。だとするならば、主人公の和夫くんがしょぼくれているのも納得だ。

そんなところで、このお話は自分なりに理解できたといえるかな。『ダイヤモンドダスト』は、人の死とか何かを永遠に失うときの気分を「寒さ」とか「ダイヤモンドダストのような切ない輝き」でメタフォライズしており、それを受けた自分の姿をメタフォライズしているのが和夫くんの煤けた姿だ。うん、自分では決して実感できないものを想像力で理解できると達成感がある。

文章は綺麗ですごく読みやすかった。


| 緑色 | 感想文 | comments(0) |
| カテゴリ:マビノギ日記 |
七年後(L)



暑くなってきて、外に出るのが非常に億劫だ。バイクツーリングも、自転車も、ジョギングすらも投げてめっきり室内でゲームしている。そういうときこそネトゲなんじゃあないの!? とマビに帰郷してみたハナシ。


今回は以前にもましてFLのトマトジュース化とダンバの過疎化が進みまくっており、FLを残しておいてくれたふぉーちゃんとルンダD等嗜んできたぜ。




七年も経っていれば当然いろいろ変わっており、何よりビックリしたのはフラソやレッドスケルトンにぶん殴られているふぉーちゃんが1ダメージしか食らっていないことだろう。これはリンク? とかいうスキルの効果らしく、専用のペットを出しておくことでステはおろか防御も増加し、彼女の防御は現在250から300近いらしかった。俺がいた時代は、ミレシアンは防御が低いから攻撃を食らっちゃだめ、っていう時代だったものだが…。今回の帰郷では以前とはちょっとレベルの違うウラシマ気分を味わったよ。うん? いや右下で羽出しているヤツのことはいいんだよ次いくぞ、次。

リンクとやらに対応したペットに乗せてもらった。防御だけじゃなく、現在のキャラクターステータスは1000をゆうに超える勢いらしく、そりゃあウラシマの緑色さんのDEX400が通用するはずもない。つーかふぉーちゃんはペットの育成もがんばっているみたいで、レベル200のペットさんもいるみたいで、リンクの効果でステータスバフをかけたら俺のステータスが抜かれた。いや仮にも累積4000プレイヤーキャラクターのステを抜くペットとはなんぞ?

さすがの緑も死んだ目に。

そうこうしているうちにルンダのボスへ。

とてもおせわになりました。



スキルはめっちゃ増えたし、これオフゲなんじゃねえのってくらい人いないし、箱で強エンチャ装備がばらまかれているようだし、昔とは別物になった感は確かにする。だけれどフィールドと音楽は変わっていないから、ホントどこへ行っても懐かしさで胸いっぱいだ。

昔ここでよくエンチャ依頼人を待ったよなあー。


ここで朝まで喋ったよなあー。



今回ふぉーちゃんと会ったことの裏には、すげえ偶然があったらしい。



て、ていうか昔はフレのログとかこうして晒しまくっていたわけだけれど、この5年7年で俺の価値観にも多少の変化があったのか、すこし「チャットログってアップしていいのか…?」という謎の葛藤が生まれている。

どうでもいいことだが、ログとブログ記事での一人称があべこべなのがどうにも気恥ずかしいトコあるな。いや、本来の一人称はぼくなのだけれど、ブログとか書くときは俺のほうが勢いが出るという考えなんだよな。どうでもよいな。



この猛暑期間には他ネトゲー…FF14等をプレイしたが、やっぱマビのキャラクターの絶妙なデフォルメ具合が俺は好きだなあ。過疎とかサービス終了間際とか掲示板では言われていたが、一般的にみて息の長いゲームだよな。やっぱり根本として魅力的なゲームなんだと思う。


| 緑色 | マビノギ日記 | comments(0) |
| カテゴリ:プログラミング |
Python クラスって何なの



またクラスの話かよ。思えば、pythonを始めて、ちょこちょこ手遊び2年が経過した。記念に2年前の俺へクラスの解説を書いてみる。あの頃はとりあえずドットインストールのpython講座動画で入門したのだよな。振り返ってみようとドットインストールサイトに行ってみたら、python講座が有料になっていた。残念。



さてきみは、足し算の書き方や関数の書き方、リストやディクショナリは理解できたのに、このクラスとかいう謎の何かへ単元が移った途端突然理解不能になり困惑しているところだと思う。ぶっちゃけ直近スクリプト書くにあたっては必要ないと思うし、別にいっかーと思いつつも、ネットに載ってるサンプルスクリプトではやたらめったらクラスが使われているのでますます困惑を極めていることだろう。そのふたつの困惑をとりあえず解決してやるぜ。

クラスってのはディクショナリみたいなもんだから安心しろ
少なくともきみの2年後である俺は、まあ基本的にはディクショナリみたいなもんだと思いながら使っている。下の例を見てみれば、ディクショナリを定義して値を取り出すのも、クラスを定義して値を取り出すのも似たようなものだとわかるだろう?
# ディクショナリ
dic = {
    'a': 'A',
    'b': 'B',
    'c': 'C',
}
print(dic['a'])  # 'A'が取り出せる。

# クラス
class Klass:
    a = 'A'
    b = 'B'
    c = 'C'
print(Klass.a)  # 'A'が取り出せる。
うん? 似てるっぽいけれど、ディクショナリではキーを文字列('a')で指定しているのに対し、クラスのほうは変数(a)で指定しているから違うんじゃないかって? ならばこう書いてやろう。
Klass_dic = Klass.__dict__
print(Klass_dic['a'])  # 'A'が取り出せる。
__dict__ はクラスの中身をディクショナリ形式にしてくれる。これでクラスっていう何かがぶっちゃけディクショナリみたいなもんだということがワカると思う。

サンプルスクリプトでやたらクラスが使われてんのはそれが便利だからだ
きみの2年後である俺がスクリプトにクラスを使うのは、パッケージ化がしたいときだ。今のきみでも、スクリプトを適当に書くより関数にまとめたほうが良いカモっていう感覚はなんとなくもっているだろう? 使い回しがきくようになるし、
変数のスコープが深くなるから他のトコで使う変数と名前衝突するのを防げるもんね。あとまとまってる感じがなんか嬉しいだろ? クラスを使うのはそれと同じ理由だ。きみがテキトーな小さな計算スクリプトをさっくりまとめたくて関数を作るのと同じテンションで、俺はすこし大規模な計算や複数の関数をさっくりまとめたくてクラスを作るのだ。クラスを使うと、{クラス名}.{関数名}って感じで名指しで内側の関数を実行できたり、{クラス名}.{変数名}って感じで値を取り出せたりできる。後者は上述したようディクショナリでも簡単にできるけれど、ディクショナリの中に関数を定義するのはちょっと面倒だし見栄えも気になってくる。
# ディクショナリの中で関数定義する場合
dic = {
    'a': 'A',
    'd': lambda s: s + dic['a']
}
print(dic['d']('a'))  # 'aA'って表示される

# クラスの中で関数定義する場合
class Klass:
    a = 'A'
    def d(s):
        return s + Klass.a
print(Klass.d('a'))  # 'aA'って表示される
後者のほうが書きやすく見やすい感じするだろう。きみの書いているスクリプトが全部ひとつのディクショナリにつっこめる仕組みがクラスってことだ。



幕間。
きみはこれから解説記事で「クラスが設計図でインスタンスがロボットやクルマ」系の例え話をよく目にすることになると思うが、それはきみの役には立たないので見なくてよい。きみはヘンに例え話をされるより、実際の言語仕様で説明されたほうが頭に入るヤツだ。



これだけ執拗に言われればクラスがディクショナリみたいなもんだということは十分わかったと思うけれど、インスタンスって何なのっていう疑問も連なってくるだろう。

インスタンスもディクショナリだと思ってイイよ
いやお前なんでもディクショナリかよときみはツッコミを入れてくるかと思うが、2年後の俺がそういう理解でクラス・インスタンスを実際不自由なく書けるのだから大丈夫だ。てかpythonスクリプトなんてすべてがディクショナリみたいなもんなのだ。数ヶ月後きみは試行錯誤する中でその片鱗に気がつくことになる(Python 変数もどき自動作成)し、さらにその半年後、オライリーという教典を読んでリファレンスという概念を知りその理解が正しかったことを知ることになる(Mark Lutz『初めてのPython』)。a,b,cというクラス変数をもったクラスと、a,b,cというキーをもったディクショナリがおんなじようなもんであるように、a,b,cというクラス変数をもったインスタンスもおんなじようなもんだ。
class Klass:
    a = 'A'
    b = 'B'
    c = 'C'

klass = Klass()
print(klass.a)  # 'A'って表示される
少なくともこの例だとインスタンスがインスタンスである意味がゼロだが、「クラスって何なの」と言ってる段階ではここまででよいと確信してる。その段階でインスタンスのステキな使い方をいっぺんに詰め込まれるとホント厳しくなる。とにかくディクショナリだ。ディクショナリでイイ。


| 緑色 | プログラミング | comments(0) |
| カテゴリ:みろりHP |
またしても引越し



またしても引越し、である。
物心ついて以来2年以上おなじ場所に根を下ろし続けたことのない緑色さんではあるが、ルームメイトがいようとやはりその記録は更新され続けるようだ。そんな人生が俺に断捨離を覚えさせた。が、親愛なるルームメイトたちは断捨離のダの字も知らない連中なので今回の引越しは難儀したぜ。全財産をダンボール3つ+布団+原付バイクに保ってきた俺にとって引越し屋さんの利用は未知の体験だった。引越し屋さんに甘えて今回は引越し時のモノ処分も控えめにし、デスクとか椅子とかロードバイクとかエアコンもそのまま運んでもらった。「フツーの引越し」とはこういうものなのか、と思った。
そんなフツーの引越しはすげえ値が張った。引越し屋さんもそうだけれど、不動産屋さんを介した物件探しはお金もかかるしくたびれるものだった。これまで俺は不動産屋さんで物件探しなんてことをしたことがなかったのだよ。大家さんあるいは管理会社と直接やりとりしたことしかない。仲介業者なんて使わないで済むならそのほうがいいだろう。
疲労困憊の一ヶ月だった。見ればろりhpの更新頻度も下がってんじゃん。いま気付いたぜ。まあそういう事情でして。



苦労した甲斐あって住居は妥当なグレードアップを遂げた。個々のプライベート感は増し、リビングは大幅に拡張し、お風呂まわりは何だかハイテクになった。マーケットまでの距離は近くなり、窓からは壁のような土手ではなく夜景が見えるようになった。そして俺はねんがんの押入れを手に入れた。

改良の余地はあるけれどひとまずはこんなところで落ち着く。


| 緑色 | みろりHP | comments(0) |
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